花とみらい

あなたの輝く笑顔が、ずっとずっと続きますように。

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Posted by 姫璃 on

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鬼夕の月 (1)  

Posted by 姫璃 on

狂うのは俺か、奴か
今日も狂ったケモノ達の晩餐に罪は匂うのか
目の前の死者に一切の情すらも感じず
溢れ出す紅い歓喜に、また狂い続ける――


鬼夕の月(1)プロローグ 





何時だったか、白い雪がまるで華のようにすら見えた。
一面真っ白なはずの地面には、その日も真っ赤な血痕が飛び散り、数百人の人々が積み重なるように地面を埋め尽くした。
まるでその惨状をかき消すかのように、深深と雪が降ってくる。

「死体なんてそのままでいい。帰るわよ、篝(かがり)。」

その雪よりも、遥かに冷たい声が頭上に聞こえた。
どんなに抗おうにも抗う意思すらも持てない。彼女の命令は、絶対であると何時の日からか思うようになっていた。自分の意思なんて、初めからなかったのかもしれない。でも、それでいい。

――白い雪はどんどん酷くなる一方だった。 まるで、行く手を阻むかのように。
「あぁ、最悪ね。こんな大雪の日に都市一つ壊滅させてこいだなんて。」
「・・・・・・・・。」
何も言わない美少年に、女は侮蔑の表情を浮かべた。
「これだから、人形は嫌いよ。意思も何もあったもんじゃないんだからね。」


(人形、か・・・。)
昔の方が、全てに対して何かを考えていただろう。
今は自分でも、自分を感じなくなっている気がする。
「まぁ、余計なことを感じなくなった今の貴方だからこそ、こんなに軽々と扱えるんだけど。」
「・・・・・・・・・・・。」
女は魅惑的な微笑みを浮かべ、少年―篝に顔を寄せた。
「ねぇ、幸せでしょう?人が殺せて。私に使われて。」
「・・・・・・はい、夕羅(ユラ)様。」

篝は何の表情もせず、自らの主にそう告げた。
夕羅は嘲笑い、そして言った。
「それでいいのよ。貴方は何も考える必要性なんて無いの。」

女はそれだけ言い、かの地を去った。
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